本読んでないや

読書してない。

教科書は読んでる。

けど分かんない。

難しい。

春休みで読んだ本、2冊。

すくね。

もっと読まなきゃね。

 

砂の女』と『氷壁』。

 

砂の女

 

安部公房の作品は高校のときの国語の先生が薦めていた。

大学一年生、読もうとして挫折した。

うまいこと文章が入ってこなかった。

今度は一応最後まで読んだ。

すごい。

むしろ怖い。

砂というものがいろいろなモノを表現している。

イヤ驚くべきだ、。

描写は現実的なんだが、やはりどこか幻想的な風だ。

幻想的な、というのは何も嘘くさいというのではない。

むしろ、何というか感覚に対しての説得力がある。

書き出しの方は、現実感をこれでもかと強調してくる。

そして突然、読者ごと主人公をこの小説の世界へ引きずり込む。

傑作と呼ばれる理由が納得のいく小説。

 

氷壁

 

井上靖の作品を選んだことについては、特に理由はない。

いや理由はあったのだろうが、思い出せない。

この作品は現実にあった事件を下敷きにしている。

会社員で、登山家の男の話。

小坂という友人と年末に前穂高岳の難所に挑む。

そこで起きた事件は、登山家としての彼と会社員としての彼の、両方に関わりのあるものだった。

山の、一種残酷な、それでいて荘厳な雰囲気。

都会の、賑やかな、また煩わしい雰囲気。

小坂との友情と、女性との恋情。

手がページをめくろうとする程にドラマチック。

そんな小説。

主人公がまっすぐで、いい性癖の持ち主だ。

ここでいう性癖は、単にその人の持つ性格、性質を指すものである。

彼に苛立ちを覚える者もあろう。

しかし私は彼の行動には理解を示したい。

その気持ちが解るなどというと語弊があるが。

美しい小説だと思う。